仕事の評価は結果で決まるというのが、今でも変わらぬ私の考え方です。自分かどれほどがんばってやったことでも、続けて仕事の依頼がこなければ、それは結果が評価されなかったということ。私はこれまでの仕事で、「今回はこの程度で軽く流しておこう」という気持ちで取り組んだことは一度もありません。自分の中では、毎回毎回の仕事に全精力を傾けて万全を尽くしてきたとの思いがあります。ですから、これで仕事が来なければ自分は所詮それだけの能力しかない人間、と思って生きてきました。「どうして自分の仕事が評価してもらえないんだろう」というジレンマも感じたことはありませんでした。常に「やり切った」との思い、いい意味での自己満足があるから、それが人からの評価につながらなくても、価値観が合わなかったと素直に考えることができたのかもしれません。もちろん、褒めていただけたらすごくうれしい。それは結果勝負のシビアな世界で、いい結果を出せたことの紛れもない証ですから。過去の仕事の中には、当然ながら満足のいかない仕事もあります。今だから言えますが「ロールのクレジットにお願いだから名前を出さないで」と、思わず懇願したくなった仕事もありました。けれどもヘアメイクとして名前は出さなければいけない。なぜならヘアメイクに関することは、すべてに自分が責任をもたなければいけない。失敗も、勉強不足も何もかもひっくるめて、結果は引き受けていかなくてはいけないのです。私の仕事は、指先から生まれる表現こそが結果です。それが認められれば満足という気持ちがあるからか、自分が表に立つのは正直言ってとても苦手です。できれば自分の存在感は際立たせたくない。